【Webサイト分析】大塚呉服店さん
サイトの情報
- 大塚呉服店さんのWebページ
- 全国に3店舗
- 京都東山が本店
サイトの特徴
構成
シングルページ
コンテンツ
TOP:カタログの役割も兼任するトップページ。 文字がなく、スクロールするたびに写真が現れる。
News:お店からのお知らせ
About:大塚呉服店のコンセプト?とメッセージ。日本語と英語の2ヶ国語記載。
Info:各店舗情報
特徴として、「どこにも商品紹介ページがない!」ってのがあります。商品のことが分かるのは、TOPの写真だけ。商品名やお値段はどこにも書いてないんです...!
ここから、「きものが着たくなる呉服店」がコンセプトであるように、「売り物としての着物」ではなく「日常にある着物」として受け取る事ができます。
着物がまじで着たくなりました。
他着物サイトも見ましたが、シングルページのサイトはあります。
しかし、商品 + 文字があるのが普通です。
コンテンツの特徴
写真撮影場所
東京駅皇居周辺、表参道アップルストア、美術館ぽいところ、住宅街など。
寺や日本家屋は出てこず、都会で着物を着ている風景が写されており。
着物をより近くに感じて欲しい願いを受け取ることができます。
東京在住の私にとっては、知っている土地で着物を着ている風景なので、さらに「きものが着たく」なります。
写真の中の子
20前後かなあ。青文字系zipperとかに出てそうな女の子。
インスタグラマのるうこ本にもここの着物載っていたみたいなので、おしゃれに敏感な女の子を取り込もうとしているのかな。
写真の特徴
めちゃくちゃ「インスタっぽい」編集がされています。
撮影場所、中の女の子のおしゃれさをさらに引き立てています。
また、他サイトだと、スタジオでモデルさんを撮影した、または和が感じられる風景をバックに撮影がされており、写真自体に加工はそんなにされていません。
見たくなるのは前者ですね。かわいい。
私が大塚呉服店のサイトが好きになった理由
私は、「日本的なもの」は好きな層です。
TV東京「和風総本家」は定期的に見ています。また、着物浴衣振袖を着る日は特別楽しみになる「和服好き層」です。
また、おしゃれな風景写真を見ることが好きな「インスタユーザー層」です。
この2つが満たされていたサイトだった為、トリコになってしまいました。
1つ上のレイヤにあげてみたいと思います。
現状日常的に着物を着る人は少ないです。
その中で若い人たちが着物を着ない理由はいくつかあると思います。
・そもそも着る習慣がない。遠い存在。
・値段が高い
・デザインがちょっと...
大塚呉服店のサイトは、以上の理由を払拭させるつくりでした。
・そもそも着る習慣がない。遠い存在
⇨ インスタグラムっぽいおしゃれな写真で着物を着ている風景を見せる
・デザインがちょっと...
⇨ 若い子たちが好きなモダンなデザイン
・値段が高い
⇨ そもそも載せない。
サイトの目的として、着物を身近に感じることが第一の目的なため、値段は載せていないのでしょう。
他着物サイトは商品 + 商品情報が描かれているので、「買う前提」にならないとサイトに訪れないと思います。
しかし、「着物のある風景」だったらお値段雑誌を見ている感覚になりますし、
着物に興味がある若い子も楽しんで見ることができます。
そして、購買行動に出ようとした時に大塚呉服店が想起される確率が高くなります
ただ疑問に思ったことは、サイト⇨お店(実店舗EC問わず)の導線設計です。
確かにWebサイトに訪れたい!という気持ちは高まります。
ただ、お店の願いとしては、そこから着物を買って楽しむことが必要になります。
ECサイトのリンクは見当たらなかったし、実店舗は全国に3店舗となるとお店に足を運ぶ人は必然と少なくなってしまうかと思います。
もし、ターゲティングが実店舗に足を運べる女性に限定されるのでしたら、このサイトの構成は素晴らしいと思いますが。現に私は実物とそのお値段が気になってお店に行ってみたい気持ちになっています。笑
あえて値段を見せない設計だと、「気になる!」センサーが働いて想起率も高まりそうです。
Webサイトで商品ではなく、コンセプトに沿って一貫して商品のある風景を表現しているとても先進的なサイトでした。